
2026-03-27
ここ数年、近所で行われている醤油づくりに参加しています。
醤油の仕込みは春です。まずは大豆・小麦・塩・麹・水を混ぜる。

はじめのうちは毎日、その後は1週間に1回、と少しずつ間隔を空けて、中盤からは月に1回くらいのペースでかき混ぜ(天地返し)ていきます。色の変化と共に、はじめはしょっぱいだけだった樽の中身が、時間が経つほどに大豆の甘みやコクが加わって醤油の味になっていく過程が楽しめます。
左から、①仕込んだ次の日の様子 ②4か月後 ③さらに4か月後。絞る直前です。

昨年は年末に絞りの作業をしました。
絞り作業は絞り師の方をお呼びして、大人数で1日かけて行います。 絞り作業では道具を清潔に保つために大量の熱湯を使うので、釜で火を起こしつつ(そしてその火で暖を取りつつ)、傍らで絞り機を使って醤油を絞ります。



絞りたての醤油。普段醤油をこうやって眺めることはないと思うのですが、日の光に透き通った色が美しいです。
大量の醤油を絞るには時間がかかるのでお昼をまたぐのですが、お昼は炊きたてご飯に絞りたての醤油を直接かけちゃう、超贅沢な醤油ご飯が恒例となっています。 空腹という最高のスパイスもありつつ、これが本当においしい。 2歳の娘は3杯おかわりです。


醤油の搾りかす(もろみ)も大量に手に入ります。 市販のものとは異なり、ポロポロしています。 もろみはお肉を漬け込んだりもできますし、もろみと油とにんにくだけで野菜を炒めても深いコクが出て、とてもおいしいのです。
私たちの醤油絞りの最初には、醤油絞り師が「醤油が絞れる平和な世界であることに感謝しましょう」と言ってみんなで合掌します。田舎の古民家暮らしというと、いわゆる「丁寧な暮らし」をしている人間だと思われがちですが、残念ながら全くそんなことはない忙しい日々。でも、醤油絞りの日はゆったりと時間が流れて、食べ物のありがたみを感じることができる贅沢なひとときです。
種類を選ばなければ買った方が安いし、手に入れるのに丸1日以上を費やすこともないわけですが、 たくさんの物があるという意味の豊かさとは違う「豊かな生活」を知ることができたのは、醤油づくりの経験のお陰。移住してよかったと思うことのひとつです。